終末の声
Apocalyptic Sounds
Pencil / Ink / Cellophane / Kent Paper
331 x 242 mm
...
花咲鉱の死にゆく様は誠に無様
ぶちぶちと剥がれ宙を舞い漂う
剥がされるその音は小さな悲鳴にも似て
歓喜の吐息にも似て
やがて欠片は静かに下降し
軽やかに地に触れるもその音は
「どーん 」と遠くの地まで響きわたる
終末の声



羽化
Emergence
Pencil / Ink / Cellophane / Kent Paper
432 x 312 mm
...
『ムクとコウカツ』

ひとつのさなぎから羽化したのは
二匹の虫だった。
一匹はコウカツだった。
見つからぬよう擬態し
一早く高見をめざした。
もう一匹はムクだった
壁を見ていた
それは夜だった
夜の壁だった 
途方に暮れていた。
天井は空だった。
空には大きな雲が浮んでいた。

22.8.25
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